2026年6月3日 水曜日
JAPEND ジャパエンド
EDITORIAL · 編集記事

静かに、
日本のかたちを読む。

畳の上の時間、職人の手、茶室の姿勢、暦のなかの一日。 速さの外側にある日本の文化を、編集部が一本ずつ確かめながら綴ります。

EDITOR'S PROLOGUE

この春の号は、「静けさ」を主題としました。
畳のうえの一拍、紙を漉く手の音、茶室の躙り口の段差。
日本の伝統のなかには、見落としやすい小さな静けさがあります。
それを十二の記事と六つのノートで、ゆっくりお届けします。

— 編集部

PHOTO ESSAY

山あいに残る、
古い時間のかたち。

瓦の重なり、漆喰の白、屋根のうえに浮かぶ山の輪郭。 中山道沿いの小さな集落で、編集部が一日かけて歩いた記録。

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LATEST

最新の記事

ONE-ON-ONE

所作のなかに残る、もうひとつの言葉。

京都・東山で茶の指導を続ける七十代の表千家師範に、今日の若い世代と茶の出会い方について話を聞いた。

Q.

最近の生徒さんと、十年前の生徒さんで、変わったところはありますか?

A.

座る前に、写真を撮ろうとする方が増えました。けれど、構えなくなるのも早くなった。十回稽古に通えば、もう写真を撮らない。

Q.

それは何が変わったということだと思われますか?

A.

身体が、撮るより味わうほうが面白いと知るのです。茶の所作は、頭ではなく身体に教わる稽古ですから。

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SCENES

町のかたち、二景

SCENE 01

金沢、ひがし茶屋街の格子戸

夕方四時の光が、木の縦格子のあいだを通って、地面に等間隔の影をつくる。三月の終わり、ひと気の絶えた時間。

SCENE 02

栃木、夜の蔵と漆喰の月明かり

夜十時の運河沿い。蔵の白壁が月を反射し、川面の灯がそれをまた反射する。誰もいない、ただそれだけの時間。

EDITOR'S NOTES

編集ノートから

静寂と空間 2026年4月18日

ある朝の障子

京都の宿で目を覚ました朝、障子の上半分だけが薄い金色に染まっていた。雲が動いて光が変わるまでの十分間、ただそれを眺めていた。 窓ではなく、障子だからこそ起こることだ。光は紙を通って一度柔らかくなり、それから部屋の中に入ってくる。直接ガラスから入る光と、紙を通…

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伝統工芸 2026年4月11日

茶杓を作る音

京都・東山の工房で、職人が竹を削るのを横で見せてもらった。茶杓と呼ばれる、抹茶をすくう小さな匙のことだ。 竹を選んで切る。切った節を割る。割った片を削る。削った膚を磨く。一本のために、半日近くかかる。 職人は黙って手を動かしていた。室内には、刃が竹を撫でる…

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季節と暦 2026年4月4日

駅の和傘

金沢の駅前で、年配の女性が和傘を差して歩いているのを見かけた。観光ではない。買い物の帰りらしく、紙袋を提げていた。 ビニール傘ではなく和傘で日常の雨をしのぐ人が、この街にはまだ残っている。傘を畳んで店先に立て掛ける動作が滑らかで、長年の習慣であることがわかっ…

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